ゲーム理論で核戦争が防げたことを説明できるか

 効率よく核ミサイルを爆発させ、相互にミサイル防衛に失敗したとした理想的な殺人状態では、核ミサイルは地球上の人口を複数回殺せるだけの兵力があった。
(実際には、砂漠をねらってミサイルは発射せず都市部を狙って発射するからいわゆる全面核戦争になったときには多少生き残る人がいると思われる。また、通常は先制攻撃をかけ、秘密とされているサイロを攻撃し、北極海に潜んでいる巨大潜水艦を破壊しないといけない。)

 こう考えると、以下のことがわかる。
核兵器として始末の悪さ
無味無臭で残留放射能として残り続け半減期が異常に長い。
また、生態系に大きな影響をあたえ農業、水産業は壊滅的な
被害を負う。一部回遊魚は、米ソという距離であってもお互いに行ったり来たりするかもしれない。
・報復攻撃の可能性
基本的には大陸間弾道ミサイルは大気圏を越えて再突入してしまえば迎撃はむずかしい。
しかし、地球の引力をこえて大気圏を脱出しようとすれば、
大きなエネルギーを必要として、相手方に探知されてしまう。
また、全面核戦争になれば複数のサイロからの発射を同時にしないといけないので隠しておくことはできない。
そうすると確実に報復攻撃は可能となる。たとえ、自分の命が5分後になくなることがわかっていたとしても大統領からの発射命令があれば発射するだろう。
ということは、お互いに探知可能であり、報復することが可能(いわゆる刺し違えることができる)。

 つまり、映画「ウォーゲーム」の○×ゲームで勝者が存在しなくなってしまう。
ゲーム理論で言うと核ミサイルは、囚人のジレンマでは両者が自白して最悪の結果を得ることになる。

 しまった。これでは漫画「沈黙の艦隊」の海江田艦長の「核は脅しでしか使えない」発言と一緒だ。