いやな客は、徹底的に遠ざけろ。

 昔、芸能人がラフな服装で高級服飾店に行ったときのこと、海外だったか、何かの理由で自分の知名度、金持ち度合いが伝わらなかったようで、店員に金持ちの扱いをされなかったことに立腹。
 自分の財力にものを言わせて、その店の商品を買い占めたところ、店員は、態度を豹変させ、ひれ伏すように対応したという。

 結局、その芸能人は、それが爽快であったかのように話した。

 お互い間違ったのではないか?

 芸能人は、そのお店できちんとした扱いをされたかったら、金持ちっぽい服装でいけばこじれることはなかった。
 スーパーマーケットではない高級服飾店において客は、常に値踏みをされていることを知らないわけがない。
 立腹したところで、店舗をあとにすればよかったのになぜか、不必要な商品を買った。自分に財力があることを見せ付けるためだけに。
 店は、その顧客が立腹して商品を買い占めることに対して拒否しなかったのはなぜか。

 そんな客に自分たちの商品を売ってしまっていいのか。
 売上は立つかもしれないが、今後この客は二度と来ないし、商品を不必要に買い占めているだけだ。

 たとえば、会員制ビジネスであれば、一人一人の客からは基本的に会費以上の売上を立てられない。
 そこで通常であれば、アップセル、クロスセルに励む。

 マイナス方向に考えると、ある会員が他の会員の気分を害することや不利益になるのであれば、即刻その会員を削除しないとその会員からの上がってくる売上よりもその会員が巻き起こすマイナスの方が大きくなってしまう。

 お客様だからといって売ってもいけない。
 お客様だからといって自分たちから遠ざけることをわるいことだと思ってはいけない。